真説・節分にはなぜ豆をまくのか?




節分、といえば、占いを嗜むものからするととても重要な日になります。

いまいち知られていませんが、節分は、「節が分かれる」と書くわけですから、本当に干支が変わるのは、この節分以降なのです。

さて、陰陽五行を重んじる道士というものから考えた、日本の節分を考えてみましょう。

今回は節分の豆撒きについてです。
色々サイトを見てみましたが、どうして節分には豆まきをするのか、それも、なぜ豆なのか、それをキチンと講釈したサイトは見かけません。
良くて、

「追儺から」
「中国の風習から」
「魔を滅する、魔滅から」
「昔、鞍馬山に鬼が出た時に毘沙門天のお告げで豆をなげて追い払ったから」

ぐらいでしょうか。
豆じゃなくてもいいじゃん、とか、語呂合わせなの?、という感じですが、陰陽五行で実は説明がつきます。このことに触れたサイトは見当たらないので、ぜひ参考にしてくださいね。

上記にあります、「追儺」は、追儺会のことで、古代の日本にも取り入れられた鬼を追い払う儀式です。ですが、実はこの儀式、豆だけを使っていたわけではなく、形式も今とも違うと思われます。また、追儺会は古代中国の風習なので、この二つは説としては不完全です。豆でなくてもいいですし、そもそもなぜ豆なのか、という疑問に答えきれていません。

魔を滅する、は論外ですね。
語呂合わせですか…、たしかに言霊大事ですが、これは元々中国の風習だったわけですから、語呂が合うから豆にしました、というのはいかにも説としては弱い。

毘沙門天のお告げで…。
鞍馬山の鬼を退治するのに、毘沙門天…、うーん、まあわからなくもないですが、サナト・クマーラなんですよ。そもそも鬼退治したら鞍馬山だめでしょ。あとは、毘沙門天って韓国(からくに)の守護神ですよ。韓国の神話はあまり知られていませんが、韓国の民は、毘沙門天の子孫なのです。それを考えると、追儺会の話が朝鮮半島わたって、少しいろいろな話が混じってしまった。と、言う方がオッカムの剃刀的にわかりやすいですね。


では。

「なぜ鬼退治に豆をまくの?」

の陰陽五行で読み解いた説です。
キーワードは、

「桃太郎」
「金太郎」

です。

はい、ピンと来た方、さすがです。

多分、ここから、豆撒きの他の説、
「イザナギが黄泉の国から戻る時に云々」
が来たのかも、と思います(実際は桃でしたけど)。


鬼をやらい、つまり、鬼を追い払うわけです。
これって、鬼退治に通じるものが在るのは、なんとなくわかりますよね。

中国の妖怪大辞典と言うべき、山海経には、

東海中有度朔山、上有大桃樹、蟠屈三千里、其卑枝門日東北鬼門、萬鬼出入也。上有二神人一日神茶、一 日鬱壘、主閲領衆鬼之悪、害人者執以葦索、而用食虎。於是黄帝法而象之。因立桃梗於門戸上、書鬱 壘持葦索以御凶鬼、書虎於門、當食鬼也。

とあります。
つまり、鬼は鬼門からやってくる、と鬼門は東北の方位である、とあります。

ここから陰陽五行です。
悪いものを断つというのは、「木火土金水」の5つの気のうち、金に当たります。

金とは、Moneyではありません。

初心者がよく陥るのですが、金気はお金ではありませんので、ご注意を。
金気というのは、「かなもの の 気」です。
そしてこの金物は、ものを伐採する、殺伐ともいいますが、刈り取る力を持つものです。
そんなわけで、鬼を退治するには、この金物の気を用います。

まさかりかついだきんたろぉおおー♪

まさかりとは、いわゆる斧のことです。金物ですね。
金太郎。金は金物の気から、太郎は男の子という意味です。
金太郎と大江山の鬼退治は切っても切り離せない話です。

ももーたろさん、ももたろさん♪

桃太郎も鬼退治していますね。
でも、金物でてこない?、出てきていますよ。
陰陽五行で干支を見てみましょう。金の気は西の方角です。
西の方角は、「酉」といいますね。酉の両脇を見てみると、申と戌ですね。

猿と犬と鳥

金物の気がありますね。
さらに、桃は退魔の力がありまして、イザナギが、武王が、西王母が、道士たちが、ともかく一番つよい金物の気をもつものとして珍重されてきました。
今でも、符を拵えるときには、桃の板は最強の符になります。
ちなみに、キョンシーをご存じの方ならば、道士が、鶏の血をつかって符を書くのはみたことあるでしょう。

「勅令・随身保命」

と符を書くのですが、金の魔除けの力で、

「てめえはうごくんじゃねぇ、命令だ」

と符に書かれたら、そりゃキョンシーでも止まるってもんです。
ほかにも、そのまま鶏の血を指につけて、キョンシーの額に指で直接ぺちっと触るとキョンシーは止まります。退魔の力で動けなくなるのです。

このように、桃太郎も金太郎も、これでもかってくらい、陰陽五行の金の気を使って鬼を退治する物語なのです。

さて、閑話休題。

豆。
どこに金物の気があるのでしょう。
実はよく考えていたら、これかなって思うことが。

陰陽五行では、

火から土が生まれます。
土から金(かなもの)が生まれます。
金に水滴がつき、水が生まれます。
水が木を育てます。
木は燃えて火になります。

相生の原理です。

この中で、土熟して金に成りという、いわゆる、
「土生金」
に注目しました。

豆はとりわけ、栄養が豊富で畑のお肉とも呼ばれるくらい重宝されてきました。
地面に近く実り、土の気をたっぷり受けて育ちます。
このことから、豆は金の気を宿している、土生金だから、つよい金の気を宿していると思われたのではないでしょうか。
もちろん、大根とか、他の作物もいいですけど、ちょっと考えてみてください。

大根、鬼に投げるの様に成りますかね?w

それにもったいないし、水気も含んでいるので、なんかちょっと、金の気だけじゃなくて、水の気も含んでそう…そもそも一杯投げられないし、升に入らないし。

小豆や米といったものも、実は鬼退治や悪霊退治に有効なんです。
 でも、季節的に保存がきいて、栄養価が高く、水の気がない、手頃な大きさでぶつけたら痛いものっていったら、多分大豆だと思うんですよね。
刃物なげるわけにはいかないしw

だから、鬼に投げる豆はカラカラに煎るんだと思います。水の気を完全に飛ばすんですね。

大豆は金の気。
だから鬼退治に豆をなげる。

これが、鬼退治に豆を使う理由の一つではないか、と推察するのです。