大河ドラマはなぜヒットしないのか。


大河ドラマがなぜヒットしないのか、理由は様々ですが、西郷どんを見ていて最近の傾向に気がつきました。
役者が悪いわけではない、スタッフが悪いわけではない、撮影がおかしいわけでもない。

広告は良くないですね。
タイアップしすぎで、色々な利権が垣間見えて、拝金主義が見えます。
それももちろんあります。
来年の東京オリンピックの話でしたか、これもおそらく鳴かず飛ばずの話になるでしょう。いくら数字で良い、とアピールしても、それは作られた数字ですから、実際の感触と大きく異なってきているのではないでしょうか。

では、何がいけないのでしょうか。
何が求められているのに、何が大河ドラマに足りないか。

僕は

「勧善懲悪」

だと思います。
確かに正義が多様化している昨今ではそれは時代にそぐわないかもしれません。
でも、大河ドラマって時代に即している物なんですか、と言う話です。

「感動ポルノ(ポルノとは卑猥、猥褻というものではない使用方法です。本来の英語のポルノとは知らない間に強制される、みたいな感じの語句です)」
「感情を揺り動かすドラマ」

が先行してしまっていますし、日本よ立ち上がれ的なメッセージが強く、気持ちは分からなくもないのですが、この世の中に時代劇として求められているのは、

「古典的な正義」

だと思います。
誰が悪いわけでもない、でも誰が正しいわけでもない、一緒に考えましょう的な教育ビデオは違うジャンルに集まるでしょう。そういう物を大河ドラマに求めても詮ないことでしょう。

多くの人が、明日の仕事を思い、憂鬱になり、疲れるかもしれない一週間を目の前にして、最後のリラックスしている時間に見るドラマがなんなのか。

スカッとしたいものが世の中の人はみたいのではないのでしょうか。