伊勢神宮でのできごと。

 3月の終わり、友人が東京から下ってきて伊勢神宮への参拝をした。それにご相伴というわけで、遷宮後初めて自分も参拝に行くことになった。

 諸事情があり、伊勢神宮の参拝が半年間できなかったのだが、久々でさすがに心躍った。もちろん伴をしている友人も同様で、また彼はこの参拝には思いいれがあった。このことについては本人の許可を得ていないので、今は書かないことにする。

 小生は神宮参拝はまだ4回ほどしかなく、今回はとても楽しみにしていた。もちろん内宮参拝だけでなく、形式に則って、外宮から参拝することになった。ご存知だろうが、外宮には豊受大御神がお祭されており、小生はこの神様が大変好きである。

 現地に着くと、平日だがさすがに人は多い。外国人もちらほら見える。小生はこういった神域、とくに格が高い宮があるところは光の柱が立って見える。さすがに日本随一の神域だけあって、立っている柱も並外れてでかい。それと、本殿だが、上空にも光で構成された同じ本殿と、地面の下にも同じく光で出来た本殿が見える。このように見えるのは、この伊勢の地だけであるが。

 そのまま本殿で参拝をすませた。新しく遷宮された本殿は本当に美しく、素晴らしいものだった。そしてやっぱり波動というかオーラが半端ない。もはや筆舌に尽くし難い素晴らしさで、やはり行ったことがない方は行ってほしいと思う。そして、これだけの環境と波動を維持している毎日の日供祭などのお務めをされている神職の方々には心より敬意を評したいと思う。並大抵のことではないはずだから。

 さて、参拝を終え、拝殿の隣に設置してある社務所には神職の方が古式ゆかしい装束で二人の神職の方がいらっしゃり、その中のお一人にお声をかけさせて頂いた。もちろん知っていることなのだが、やはりこの地で訊くのは心新たかと思い、この質問をさせていただいた。

「この神宮にお祀りされている神様はどういった神様なのでしょうか?」

さすがに変な顔されたが、小生はここにお務めされている神職の方から聞きたかったのだ。

「ここにいらっしゃる神様は、豊受大神とおっしゃられます。天照大御神が一人で食事をされるのを気の毒に思い、一緒に食事をされる神様です」

「ありがとうございました」

と、一礼をしてその場を去った。
だから、小生は豊受大御神様が大好きなのだ、このようにお優しい神様が他にいようか、と改めて思うのだ。そして、まさかこの後にすごいことが待っているとは思いもよらなかったのである。

 摂社末社がたくさんのもこの神宮の特徴だが、その中で、土宮様があり、ここにも参拝をさせていただいた。ここももちろん遷宮をされており、目にも素晴らしい社であった。そして風の宮と参拝に向かったのだった。社はまだ工事の名残があり、白い覆いの向こう側にあった。そこにも人の列。二列に並んで、しばらくたってからだった。

 ザアッと風が吹き抜け、少し肌寒いな、と思い順番を待っていた。あちらこちらを見ていて、なんだか不思議な感じがするな、と思ったところだった。社の屋根の端、向かって左側だった。

「ええっ?!」

と思わず声を上げ、一気に血の気が引いた。そこに見えたのは、「目」だった。ものすごい強烈だったが、はっきりと見た。まつげがあり、かなり大きな片目だけがこちらをじっと見て、声を上げた小生を一瞥すると、ふっと空間に隠れるように消えた。人の目のようだが、明らかにいきなり空中に目だけあり、そして、大きさが違う。

 実はかなり動揺した。というのも、全部見られた、という感じが否めなかった。心の奥底まで簡単に見通された感じがしたからでもある。直感的感覚だった。そして、これほどまでに自分たちは参拝時に見られていると確信があるものだろうか。

 神様はやはりおそろしい。今回の一件はこのような子細だが、至極個人的な体験である。ではなぜ、このことをブログにしたのか。

 それは皆さんに伝えたかったのです。そう、天はいつでも見ていること、を。