第46回衆議院選挙について一言

 おそらくたくさんのブロガーたちが書いていることだろうが、小生ももれず、今回の選挙について少し感想を述べたいと思う。

 まず、今回の選挙は大変に投票が難しいものであった。難しいかどうかは個人差がある、というが、難しいと感想を持った人はよく各党のマニュフェスト、政策、そして方向性を見ている。逆に簡単であったと言う方はおそらくテレビなどの限られた情報網からのみ得た情報で、自分の生活に直轄した感想を述べているのではないだろうか。

 言うまでもなく、今回は自由民主党の圧勝であった。しかしながら、これは国民がいかに政治というものを軽く見ている、または経済原理の中で近視眼にしかものを見ていないという結果でもある。選挙活動をみればわかるが、代議士になりたい方は非常に耳障りがいい言葉を使ってものをしゃべる。これはそもそもそういうものだから仕方がないが、果たして彼らは自分たちが行おうとしていることの「すべて」を有権者たちに説明をしているのだろうか。

 「説明責任」とよく言われるが、私達は「理解責任」をきちんとはたらしているのだろうか。各党の政策をきちんと理解し、稀有たる民主主義的権利「投票」をしているのだろうか。これについては疑問である。

 おそらくではあるが、この選挙は非常に歴史的に重大な選挙になるであろう。あえてここで予言しておくが、我々の孫の世代になった時、間違いなく、この選挙が日本を変えたと言われるであろう。

 断っておくが、小生は自由民主党が嫌いでも好きでもない。特になんの偏見ももっておらず、大勝したのは彼らにとっていいことであり、目標達成したのではないかと思う。どこの党がよく、どこの党が悪い、どの代議士がよく、どの代議士が悪いなどそんな議論をするつもりは毛頭ない。むしろそんな低レベルの話をしているのではない。

 小生は思う。有権者のどれほどの人間が、各党の真意を理解していたのだろうか。確かに遊説やテレビなどで各党代表が必死になっていいことをいう。が、ここで断言しておくが、各党の、今回の立候補者の誰も「すべてのこと」を話をしていない。民衆におもねるいいとこ取りの話しかしていない。

 選挙が終わった今、もう一度各党が主張していることを比較サイトなどできちんと読みなおして見るべきである。本当に自分が投じた一票は正しかったのか、もしかしたらとんでもない一票だったのではないだろうか、と確認をしてもらいたい。マスコミなど当てにしてはならない。彼らは利権で動くものであり、金と利権が絡めば、都合の良い話はするかもしれないが、「真実をありのまますべて」話すとは限らないのだ。

 選挙が終わった後、なぜもう一度見直すのか。それはもし自分が選択した未来が自分自身を苦境に陥れても、納得がいくだろう。選んでおきながら、実際にその公約が実行された時、もし苦境に陥って文句をいうのであれば、それは自分の浅はかさを露呈する恥というものだ。「私が選んだのだから仕方がない、私が選んでよかった」選挙とはそういうものではないだろうか。

 「選挙にいっても何も変わらない」と言う方を非常に多く見かける。しかし本当だろうか。三年前、国民の選択は民主党であり、そしていまの苦境があるのだ。私達が「選挙で選んだ未来」が投票日前日までの現実だったのだ。変わったから、苦しくなったのではないか。だからこそ自由民主党が選び直されたのではないか。これでも選挙で何も変わらないといえるのだろうか。

 民主党についてはここでおおっぴらに批判するのは躊躇われるが、はっきりとここで自分の意見を述べるであれば、彼らは嘘をついたからバッサリ切られたのである。いや、つくつもりはなかったのかもしれない、が、実質的にそうなった。しかしながら、彼らの行動力というのは評価すべきものはある。が、いい方に使うことは少なかった。むしろ金銭供与してくれる団体や既存の利権団体のためにいろいろと無理な施策をしたのが間違いであったのだ。またこれについては別の機会で述べることにする。

 この選挙は民主主義的に非常に重要な転換点となるかもしれない。それは、選挙というものの本質が問われる意味でもあり、選挙というものが、考えうる正しいシステムの元で行われたのか、また、それによって選ばれた自由民主党がどのように日本を運用していくのか、また有権者のしなければいけない義務とはなにか、いづれにせよ、これらの点で非常に重要なものとなるであろう。

 なおソースは朝日なので、ちょっとどうかと考えるが参考のためにここに記載しておく。今回の無効票は、204万票だそうだ。有権者数の実に3%以上である。さらに付け加えるならば、一票の格差が違憲状態で行われた選挙でもある。投票率は最低ではあるが、各投票所では(都市部)、行列ができたとこもあるそうだ。小生も行ってきたが、多いように思えた。最高裁判所裁判官国民審査では、全員が残留である。しかしながら、各裁判官は8%前後罷免票があった。

 そして、投票率は、59.32%(NHK調べ)。

 私達は、本当に民主主義という社会に責任を持って生きているのだろうか。